第19回目となる2022年本屋大賞は2021年12月から一次投票を開始。一次投票には全国の483書店より書店員627人、二次投票では322書店、書店員392人もの投票がありました。二次投票ではノミネート作品をすべて読んだ上でベスト3を推薦理由とともに投票しました。
その結果、2022年本屋大賞に『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬(早川書房)が決まりました。
2021年12月~2022年4月実施
第19回目となる2022年本屋大賞は2021年12月から一次投票を開始。一次投票には全国の483書店より書店員627人、二次投票では322書店、書店員392人もの投票がありました。二次投票ではノミネート作品をすべて読んだ上でベスト3を推薦理由とともに投票しました。
その結果、2022年本屋大賞に『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬(早川書房)が決まりました。
大賞
463.5点
同志少女よ、敵を撃て
逢坂冬馬(著)
早川書房
2位
341.5点
赤と青とエスキース
青山美智子(著)
PHP研究所
3位
315点
スモールワールズ
一穂ミチ(著)
講談社
4位
303.5点
正欲
朝井リョウ(著)
新潮社
5位
252.5点
六人の嘘つきな大学生
浅倉秋成(著)
KADOKAWA
6位
211.5点
夜が明ける
西加奈子(著)
新潮社
7位
190.5点
残月記
小田雅久仁(著)
双葉社
8位
177点
硝子の塔の殺人
知念実希人(著)
実業之日本社
9位
155.5点
黒牢城
米澤穂信(著)
KADOKAWA
10位
137.5点
星を掬う
町田そのこ(著)
中央公論新社
三十の反撃
ソン・ウォンピョン(著)
矢島暁子(訳)
祥伝社
2位
自由研究には向かない殺人
ホリー・ジャクソン(著)
服部京子(訳)
東京創元社
3位
クララとお日さま
カズオ・イシグロ(著)
土屋政雄(訳)
早川書房
洋の東西、ジャンル、さらに刊行の新旧を問わず、書店員が「売りたい」と思った本、常日頃から思っている本を推薦。バラエティ豊かな本が集まりました。
【発掘部門とは】
ジャンルを問わず、2020年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本をエントリー書店員が一人1冊選びました。さらにその中から、これは!と共感した1冊を実行委員会が選出し「超発掘本!」として発表しました。
破船
吉村昭(著)
新潮文庫
【推薦者】河野寛子/未来屋書店宇品店 (広島県)
●推薦コメント
衝撃的です。なぜこれまで映画化されてこなかったのかが不思議なほど、面白い作品です。いわゆるホラーやサスペンスのジャンルには属さない、“怖さ”の空気を存分に含み、その時代背景や環境をしっかりと根拠に置いた、とてつもない映像が描かれています。
村社会ならではの共同体としての暮らしぶりや決断は、今では考えられないものばかりです。しかしそれは当時の者からすれば至極当然なこととし行う生き方であることを、吉村昭はいとも易しい文体で綴り、当然のものとし描ききっていることにまた恐れを感じさせられます。
海の向こうから訪れるものを、我々は受け入れる文化で生きてきたからこそ、この破船の船が何を運んでくるのか。福の神か祟り神か。
2020年、海の向こうからやってきたウイルスが現在も続いている今なら、この本の“恐れ”の意味も時代を超えて理解できる恐怖として、ぜひ紹介したい一冊として取り上げました。
-------------
※今年の夏「ゾッとする本」コーナーのイチオシとして展開しましたが、地方のいち書店だけでは伝え切れません。どうか全国の書店の力をお借りし、推薦と、もっと欲を言えば映画化になることを期待しています。
(パルム・ドール賞をとった楢山節考のような、それ以上の作品が見れるはずです)
※文体の易しさと内容の深さ。また、これだけの内容でありながら文章の読みやすさに驚きます。こちら中学生から大人まで、十分に楽しめるものです。
※表紙の装丁は日本画家の小野具定なのですが、その作品と破船の内容が「=」のような表現同士として見事です。
本の雑誌増刊 『本屋大賞2022』
編者 ●本の雑誌編集部
刊行 ●2022年4月6日
定価 ●770円(税込み)
19回目を迎えた本屋大賞の発表号。大賞受賞作品の発表から大賞受賞作家の言葉、一次投票、二次投票、翻訳部門、発掘部門とすべてを網羅。全国の書店員による、もっとも愛情あふれるブックガイド。
各書店さんで行われている「本屋大賞フェア」の様子を写真でご紹介します。
随時、フェア開催の模様をご紹介します。お店の写真をNPO本屋大賞までお送り下さい。
三洋堂書店新開橋店
名古屋市瑞穂区新開町18−22